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ソニーの経営戦略③ ブランド価値創造 [経営-戦略]

 ソニーのブランド価値創造戦略を解説します。ソニーは、新市場創造型製品を生み出すことにより、消費者にソニー製品のブランド価値を高めた。そして、プロダクトブランドの向上がソニーのコーポレートブランドの向上につながり、ソニーブランドが確立することになった。ソニーブランドにより、他社の製品とくらべてプレミアムがつくようになった。ブランドエクイティとは、「ブランドの名前やシンボルと結びついたブランドの資産と負債の集合であり、企業かつまたは企業の製品、あるいはサービスの価値を増大、あるいは減少させるもの」となる。ブランドエクィティが唱えられ始めたのは、1990年以降のことである。上記のような理論が唱えられる前からソニーはブランド価値創造を実践してきた。ソニーは以下のステップでブランド価値を創造してきた。

①経営理念  ⇒ ②ブランドビジョン ⇒ ③ブランド認知 ⇒ ④ブランドロイヤリティ ⇒ ⑤コーポレートブランド

 ソニーのブランドを構築する上で基本理念となっているのが、企業理念であるソニースピリッツである。設立趣意書で「真面目なる技術者の技能を、最高度に発揮せしむべき自由闊達にして愉快なる理想工場の建設」と謳い、自由で、闊達な、ソニー独特の企業風土を生み出した。人がやらない、未知なる物に挑戦し、高い壁に挑み続けるという企業文化を生み出した。この企業文化が社内で共有され、同じ理念のもと数々の新市場創造型製品が生み出せることになった。そして、ソニーの企業イメージが作られていくことになった。

 次に基本理念を元にブランドを構築するために、ソニーはビジョンを構築した。例えばそれは、「軽薄短小」というキーワードで表現できる。ウォークマンが代表的なブランドである。「軽薄短小」の追求はトランジスタラジオに始まる。1955年にトランジスタラジオ「TR-55」が発売された。そのころ日本におけるラジオの普及率は74%にまで達し、家族がラジオのある部屋に集まり聞いていた。大手がラジオを製造している中、後発であるソニーが打ち勝つための戦略として打ち出したのが個の市場を生み出すという戦略であった。そこでパーソナル製品を普及させることに尽力した。戦後、日本人のライフスタイルが家族という「集団」の文化から「個」の文化に移行することを予知し、パーソナル製品を生み出す戦略の元、「軽薄短小」というビジョンが生み出された。その後、ソニー製品には「世界最小」や「世界最軽量」というキーワードの製品が生み出されることになった。

 上記のビジョンが決まり、商品を開発した後、その商品を顧客に広く認知させる必要がある。ソニートランジスタを開発した1954年にフランス料理店で名を馳せ、結婚式で使われていた東京千代田区の東京會舘で製品発表会を開催した。そして、続いて東京日本橋の三越本店でも展示会を開いた。今でこそ、製品発表会は珍しくないが、ソニーほど創業間もない終戦後から、マスコミや消費者に対して、「発表会に」力を入れていた企業なない。またソニーは、難しい技術や製品を分かりやすい言葉で伝える力に秀でていた。例えば1957年に発売された「TR-63」は、ワイシャツのポケットにおさまるほど小さなラジオを表現するために「ポケッタブル」という表現を使用した。この言葉は現在では、英語辞典に載るほど普及した。このようにソニーは製品を広く認知させるために、分かりやすい言葉で宣伝するということを積極的に取り組んでいた。

 認知されたら、伝えたとおりの製品を顧客に提供することが重要となる。そのためには、機能的な品質はもちろんのこと、その製品が顧客にとって意味のあるものにするために、宣伝で伝えたとおりのデザインや大きさなども必要となる。ソニーはソニースピリッツをベースにした技術力を元に、顧客に伝えたとおりの製品を提供し、顧客の期待を裏切らなかった。それにより、ソニー製品のブランドロイヤリティを確立してきた。

 また、ソニーは上記の通りブランドロイヤリティを確立したが、それはプロダクトブランドとともに、コーポレートブランドも確立した。CI(Corporate Identity)とは、「企業の特質・全体像を大衆に認知させること」である。まだ、ソニーが小さな名も知れない会社で、日本にCIという言葉すら生まれていなかった頃、ソニーはCIを無意識のうちに重要視し、「ソニー」というブランドを広く、強く、世界に知らそうとした。1955年、社名がまだ東京通信工業であった時代に、誰にでも発音できる世界共通の商標を「SONY」の四文字の商標をつくった。そして1958年「ソニーブランドの東通工」と呼ばれた東京通信工業は、社名そのものを「ソニー株式会社」にしたのである。

 このようにソニーはプロダクトブランドとコーポレートブランドを統一的に管理することにより、プロダクトブランドの価値向上がソニーのコーポレートブランド向上につながったといえる。つまり、「人がソニーの名前を聞いて思うこと」、それが、ブランドイメージであり、それは企業が持つ文化そのものである。ソニーはそれを、意識的に「育てよう」という意志を持ってビジネスを進めてきた。モノづくりと同時に、企業イメージもつくり上げてきたといえる。それゆえソニーは、「人がやらないことをすると」という企業イメージを作り上げてきたといえる。

 

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